塗装の必要性


塗装しないとどうなる?

磨き上げられたお寺の廊下や大黒柱を見ると、木材は塗装しなくても十分に使えると思いがちですが、一般家庭では考えものです。

加工されて仕上げられたばかりの木材の表面は赤ちゃんの肌のようなもの。
内側からゆっくりと出てくる樹脂を毎日磨いて、材の表面に薄い層を作れればよいのですが、手入れを怠ると樹脂はどんどん空気中に逃げ、汚れが目立つばかりになります。

塗装はお肌を守る乳液の役割を果たしています。
どんな塗装がよいのかは木材の用途や使う人の好みによって異なりますが、全く塗装をしないでおくのは、ひとまず避けた方が無難です。




100年前の木のメンテナンス

日本では工芸品にこそ漆が使われていましたが、家屋にはほとんど塗料は使われていませんでした。
たいていは乾拭きや雑巾掛け、そして裕福な家庭ではおからと米糠が手入れの主役でした。

このおからと米糠はなかなかの優れもの。おからはタンパク質が主成分で、床を堅くし、米糠は油が主成分で汚れを取ると同時にしっとりとした光沢を与えます。
1週間に1回くらいお手入れする余裕があるのなら、市販のワックスよりも遙かにお勧めです。

自然の産物の木材にはやはり自然素材のおから、米糠を、そしてメンテナンスに疲れたら、植物油をベースにしたオスモカラーを使いましょう。




ワックスと塗料の違い

両者とも液状なので大して差はないようにも思えますが、乾燥させるとはっきり違いが出てきます。

ワックスは溶剤がなくなっても柔らかく流動性がありますが、塗料は堅くなり、ちぎるともとに戻りません。

分子レベルで見ると、塗料は乾燥する過程で周りの分子と手をつなぎあって(重合)、スクラムを組むのです。
その結果、塗料はワックスよりもはるかに耐候性、耐久性を備え、木材をしっかり守ります。





オスモカラー